こんにちは!
第1回バックパック旅も終盤戦、セルビアの首都ベオグラードに滞在した時のことを記事にしたいと思います。
セルビアのベオグラードには隣国ボスニアヘルツェゴビナの首都サラエボから深夜バスにて移動しました。その時の行程はこちらで記事にしたのでよかったらご覧ください。
akachino-journey.hatenablog.com
トルコ人旅行者二人組との出会い
この記事の続きになります。
早朝6時台にベオグラードに到着した私は、行く当てもなく10㎏バックパックを背中に市内をふらふらとしていました。バルカンの国々は朝の活動開始が遅いのか、10時近くになるまで店の多くはあきません。
写真の川を渡った先500mほど先にマクドナルドがあることを知り、マクドナルドに向かいました。到着するとマクドナルドも8時にならないとオープンしないとのことでしたが、テラス席に見たことのある二人組を発見しました。
彼らが今回の記事の主役になるトルコ人二人です。
同じ深夜バスに乗っていた記憶があったので迷いなく声を掛けました。
二人はいとこ同士で、一人は帽子をかぶった40歳くらいの見るからにポジティブな男(以後 ポジ男)といかついサングラスにバスケットボールユニフォームを着たポジ男の従弟(以後 グラサン)です。
私たちはホテルのチェックインまでやることがないどうし、意気投合し予定がなかった明日以降改めて会うことに。
聖サワ教会を3人で観光
約束通り日を改めて、ベオグラードで最も有名で荘厳な教会の一つ、聖サワ教会を3人で見に行くことになりました。
内部も無料で観覧でき、非常に美しい協会に3人で感動し感想を述べあいました。
教会の観光を終え街中を練り歩きながら観光を進めていると、ベオグラード全体に非常に多くの警察官が警備をしていることに気が付きます。
一人の警察官にきくと
今日はセルビアを代表する人気第一、第二のチームがサッカーの試合をする日だとか。
日本ではサッカーの試合で町がざわついているなんて考えられませんが、ベオグラードの人にとって、その日の試合は超大事なお祭りのようなものでスタジアムの周りはユニフォームや旗を持った人であふれかえっていました。
ポジ男とグラサンはサッカー観戦が好きだというので二人はナイターのチケットを購入し試合に行くといいます。
私は実はこれの前日、別の試合を見に行っていたので今夜は彼らを見送っておいしい夕飯を食べようと考えていました、、笑
彼らはサッカーチケットを購入し、かなり楽しみに試合の時間を待つことになりました。スタジアム近くのカフェで軽食をとって試合を待つというので私もそれに付き合うことにしました。
スタジアム近くの入ったカフェにて
セルビアのサッカーの応援はかなり熱狂的ですので、チームによって入口が分けられているようです。ですのでポジ男とグラサンの二人も自分たちが購入した応援入り口側のカフェを見つけてサンドイッチとジュースなどをそれぞれ購入しました。
数分おしゃべりを楽しんでグラサンがトイレに立ちました。彼が去ってから数分立ったタイミングで不意に店のテラス席から客とみられる男が寄ってきました。
彼は私たちにぶっきらぼうに「どこから来た?」ときくのでポジ男が「トルコだ」というと
「さっき別の男にも伝えたが、トルコ人にここにいてほしくない、今すぐ支払いを済ませて出ていけ」
と一蹴。
同時に私はグラサンから電話を受けたので電話越しに話を聞くと、テラス席に座る男に店の外に連れ出されたとのこと。今すぐ店を出たところで待ち合わせしたいというので、急いで支払いを済ませてポジ男と退席。
店を出てからの話
グラサンは店を出てすぐのところで、みるからに落胆したように立っていました。
彼はトイレに立った時に話かけられた男に、同じように出身を聞かれトルコと聞くと、態度を一変させ、すぐに店から出ていくよう強く指示されたそう。
詳しく尋ねるとオスマン帝国時代にトルコ系民族がセルビア人を虐殺した歴史に恨みをもっていたそうで、同じ店で、同じチームを応援しようとした、グラサンとポジ男に腹を立てたようだった。
グラサンはサッカーチケットをすでにクシャっと握りしめており、2022年にもなって「こんな人種差別に合うと思わなかった」と強く怒り且つ消沈していました。
そこからムードが回復することはなくグラサンは楽しみにしていたはずのサッカーの試合に行くことを辞めてしまいました。
結局どうなったのかと私が感じたこと
最終的にポジ男は気を取り直してサッカーの試合を10分だけ様子を見に行くことにしましたが、グラサンは気分を落ち着かせたいというので、私と近くの教会に行くことにしました。(チケットは私の別の友人に転売してお金を返してあげました。)
ポジ男は本当に10分ほどで試合を後にして、3人でテラス席がおしゃれなレストランにて合流。いやなことを忘れるようにセルビアビールで乾杯しました。
今回、ベオグラードで私が目撃したものは、”トルコ”という国をとりわけ嫌った男がひとりでに起こした行動のようですが、それは本当にそうだろうかと考えました。セルビアでは、トルコとの間で起こった歴史を知識として持っている人は多いようで、トルコに対して良い印象を持っていない人がいる事は理解が出来ます。敵意が相手に伝わる行動を起こして、それを周りが許容してしまったときに初めて人種差別になると思います。だから今回のケースでも、それを見ていた周りの方の一人でも立ち上がってくれたら本当にトルコ人の彼らが出て行くことにはならなかったと思うのです。。
だから第三者の日本人としてなにも言えなかったこと、ほかのセルビアの現地の方にSOSを発信できなかったことに今回強く後悔をしています。
また、海外を旅行していると、人種差別を受けたり、目撃したりすることが非常に多い気がします。しかし、そのほとんどで差別を行った側と受けた側がどちらも人種差別が行われていることに気が付いているケースは本当に少ない気がします。日本に私たちがいるでも外国の方に強い反対感情を持っていなくても何らかの偏見や思い込みで相手に負担をかけていることはないでしょうか?一人一人が理解や相手の立場に一度たってから行動する心がけが世界からレイシズムを減らすきっかけになるのではないかと思いました。
旅人としてこれからもいろいろな国や地域を訪れるなかでどこのコミュニティの誰に対しても、ニュートラルに優しく接することができる旅人を目指したいと強く思いました。
この度も最後までご覧いただきありがとうございました。